第53回 定期演奏会 指揮者

今村能氏



    今村 能  (Chikara Imamura)

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  ポーランド国立歌劇場指揮者の今村能は、欧州と日本の傑出したオーケストラを指揮、その中にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座管弦楽団、RAIイタリア放送交響楽団、ウィーン・フィルハーモニー木管合奏団、ザルツブルク大聖堂モーツァルテウム管弦楽団、北ドイツ・フィルハーモニー・ロストック、ヘルシンキ・フィルハーモニー、ワルシャワ・フィルハーモニー、ポーランド国立放送交響楽団、クラクフ・フィルハーモニー、シンフォニア・ヴァルソヴィア、リトアニア国立交響楽団、 プラハ・ヴィルトゥオージ、NHK交響楽団, 東京フィルハーモニー、新日本フィルハーモニー等が含まれている。
  1954年大阪生の今村能は、ピアノ、声楽、器楽、作曲という音楽の多方面の教育を終え、国立音楽大学卒業、桐朋学園大学指揮科研究生を修了した。高階正光氏に指揮を学び始め、後には小澤征爾氏とフランコ・フェラーラ教授の下で指揮を学んだ。この時代に彼は桐朋学園大学オーケストラ、桐朋オペラ、東京放送合唱団、NHKテレビ・オペラを指揮、1976 -1978 には東京アカデミー合唱団指揮者とジュネス・ミュジカル日本の指揮者を務めた。
  1977年に日本で開かれたヘルベルト・フォン・カラヤン・コンクールで第3位に入賞した今村は、マエストロ・カラヤンの招待で渡欧、 ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラ・アカデミーに籍を置き研鑽を積む。ザルツブルク夏季講習会にも参加した彼はミラン・ホルヴァート氏に師事、1979年には終了コンサートを指揮。“ベルリン・フィル12人のチェリスト達”のアシスタント・コンダクターも務める。1980年に彼はミラノ・グィド・カンテッリ指揮者コンクールのファイナリストとなり、1983年にはポーランドの第2回グジェゴシュ・フィテルベルク指揮者コンクールで優勝。
  ポーランド国立歌劇場に於いて今村は、2002年以来「蝶々夫人」を指揮、最新の「ドン・ジョヴァンニ」も音楽協力スタッフとして参加。又彼は「蝶々夫人」をアムステルダム、ロッテルダム、デン・ハーグ、エンスヘーデ、ポーランド大劇場ウッチに於いて2000年と2001年に指揮。2005年にはイタリア・オペラ界の登竜門・スポレート歌劇場と日本の新国立劇場で「曽根崎心中」を指揮。ベルリン・コンツェルトハウスの定期演奏会には2000年、シンフォニア・ヴァルソヴィアのドイツ演奏旅行を2005年、2007年にはハンブルク、ハレ等ドイツの諸都市で指揮をした。2008年に彼は「ラ・ボエーム」を指揮する。
  彼は1989-90にオーケストラ・アンサンブル金沢の専属指揮者となり、このユニークなオケの創立に貢献。1990-96年には東京ハルモニア室内オーケストラ常任指揮者、1996年〜「ならチェンバーオーケストラ」首席指揮者及び国立音楽大学オペラ研究会常任指揮者、2004年〜多摩フィルハルモニア協会音楽監督、2005年〜東京室内歌劇場指揮者。
  彼はスウェーデンBIS、東芝EMI、ドイツ・テレフンケン、キング・レコードへの多くの録音を行い、NHK、テレビ朝日、日本テレビ等で多くのライヴ・コンサートを指揮をしている。
  彼と共演した秀でた演奏家達は、シーラ・アームストロング、ジョン・シャーリー=クワーク、デイヴィッド・レンダル、イョルク・デームス、パトリック・ガロワ、ミカラ・ペトリ、ペーター・ダム、ラドヴァン・ブラトコヴィチ、クリスチャン・リンドバーク等である。
  彼は1996年以来国立音楽大学指揮法講師として後進の指導にも当たり、オペラ研究会では「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」「ラ・ボエーム」等を指揮している。又彼はポーランド・フィテルベルク国際指揮者コンクールの第6回と第7回の審査員でもある。